
♪夏も近づく~八十八夜という茶摘み歌でも知られる八十八夜は、立春から数えて(立春を1日目として)88日目のことです。今年は2月3日が立春でしたので、5月1日が八十八夜です。1985年以降、2月4日が立春という年が続いていたので、八十八夜を5月2日と覚えている方も多いかと思いますが、2021年以降は1日早い日もあるため少し間違いやすいかもしれません。
「八十八夜の別れ霜」という言葉もあります。晩春の八十八夜のころに降りる霜で、この日以降は霜が降らないことをいいます。八十八夜以降、霜の心配がなくなり、初夏が訪れる。それとともに、茶摘みが始まる。野にも山にも若葉が茂って、あかねだすきをして、菅の笠をかぶった人たちが茶摘みをしている。『茶摘』はそんな光景を歌った歌なのです。八十八夜に積んだ新茶は、不老不死の縁起物と言われます。八十八夜の文字に末広がりの「八」が重なっていたり、「八十八」という字を組み合わせると、「米」という字になり、この時期に稲の種まきをすると、秋に豊作になるといういわれもあって、縁起が良いとされています。
二十四節気は旧暦の太陰太陽暦が基準となっており、実際の気候とは異なる場合があります。
春 ・立春(りっしゅん)2月上旬~2月中旬
・雨水(うすい)2月中旬~3月上旬
・啓蟄(けいちつ)3月上旬~3月中旬
・春分(しゅんぶん)3月中旬~4月上旬
・清明(せいめい)4月上旬~4月中旬
・穀雨(こくう)4月中旬~5月上旬
・立夏(りっか)5月上旬~5月中旬
・小満(しょうまん)5月中旬~6月上旬
・芒種(ぼうしゅ)6月上旬~6月中旬
・夏至(げし)6月中旬~7月上旬
・小暑(しょうしょ)7月上旬~7月中旬
・大暑(たいしょ)7月中旬~8月上旬
・立秋(りっしゅう)8月上旬~8月中旬
・処暑(しょしょ)8月中旬~9月上旬
・白露(はくろ)9月上旬~9月中旬
・秋分(しゅうぶん)9月中旬~10月上旬
・寒露(かんろ)10月上旬~10月中旬
・霜降(そうこう)10月中旬~11月上旬
・立冬(りっとう)11月上旬~11月中旬
・小雪(しょうせつ)11月中旬~12月上旬
・大雪(たいせつ)12月上旬~12月中旬
・冬至(とうじ)12月中旬~1月上旬
・小寒(しょうかん)1月上旬~1月中旬
・大寒(だいかん)1月中旬~2月上旬
花まつり・灌仏会(かんぶつえ)とは、華やかな花御堂に安置された誕生仏に甘茶をそそぐことで仏を供養し、子供たちの健康を祈る仏教行事のこと。一般的に、お釈迦様生誕の日とされる4月8日に行われます。この記事では、花まつり・灌仏会について紹介します。
花まつり・灌仏会とは、お釈迦様の誕生祝う仏教行事のこと。キリスト教でイエス・キリストの誕生を祝うのがクリスマスであるのと同じで、仏教ではお釈迦様の誕生を祝うのが花まつり、ということになります。「花まつり」として知られるお祭りの正式名称は、「灌仏会(かんぶつえ)」“仏に灌(そそぐ)”ことから「灌仏会」と名付けられ、降誕会(ごうたんえ、仏生会(ぶっしょうえ)、浴仏会(よくぶつえ)、竜華会(りゅうげえ)、花会式(はなえしき)とも言われます。
この日のために作られた小さな御堂(※仏像を安置した堂のこと)である花御堂に、右手で天を指し左手で大地を指した誕生時のお釈迦様をかたどった彫像・誕生仏(たんじょうぶつ)を安置します。これは華やかな色や香りを持つ花によって仏を供養するという意味があり、花御堂は色とりどり華麗に飾られます。仏が歩く道に花をまく散華(さんげ)と呼ばれる行いになぞらえたものです。
花御堂に安置された誕生物に、参拝者が甘茶をかけます。こうすることで、体を洗い清め、子どもの身体健全や所願の成就を願います。甘茶をかけることは、昔虫よけやまじないにも使われたそう。花まつり中、お寺によっては甘茶をふるまってくれることもありますが、そもそも甘茶って何?と思う方も多いでしょう。甘茶とはアマチャの基から作られた、独特な甘さの有るお茶のこと。
お寺によって、白い象の置物が登場することがあります。おおきさはさまざまで、大きな象の背中の上に花御堂を乗せていることもあります。白い象が神聖な動物として扱われている理由は、お釈迦様の母である摩耶夫人が「夢の中で六本の牙を持つ白い象を見た」ことでお釈迦様を懐妊したと言われていることから。白い象がお釈迦様を運んできた、と信じられていることに由来しています。また、白い象は雨を表し、五穀豊穣を意味するとも言われています。